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ロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター/DJのTawiah(タウィア)。最新作『Recreate』の日本国内盤が来週12月6日(水)に発売、それに先駆けて12月1日(金)にはiTunes等デジタル先行配信もされる彼女の名はUKシーンに精通したリスナーなら既に聞いたことがあるかもしれない。2000年代後半から「UK R&Bのニューカマー」として注目されてきた彼女のキャリアを改めて振り返ってみよう。

 

サウス・ロンドン出身のTawiahことBeverly Tawiah(ビヴァリー・タウィア)。Adeleや故Amy Winehouseらを輩出した英国の芸術学校「ブリット・スクール」で学び、卒業後の2008年にEP『In Jody’s Bedroom』を自主レーベルBush Girlからリリース。これがアンダーグラウンド・シーンで熱狂的に受け入れられ、“Watch Out”はGilles Petersonの耳にとまり彼が編纂するコンピ『Brownsweed Bubblers Two』にも収録。さらには自身の冠ラジオ番組の中で「BBC Radio1 Worldwide Award」のBest Newcomer賞にTawiahを選出するなど極めて高く評価をしている。

その実力は業界内ではあっという間に話題となり、Corinne Bailey Raeのバック・ヴォーカリストとしても起用された他、Bruno Marsをフィーチャーした“Uptown Funk”が歴史的大ヒットを記録したMark Ronsonは2007年のワールド・ツアーからTawiahを起用するなど極めて強い繋がりを構築している。彼のツアーメンバーとしてJay-Zのツアーにも参加を果たしたライブ現場での活躍はもちろん、Mark Ronsonの2007年作『Version』に収録されたWaleとの“All I Need”にてTammi Terrellのパートを熱唱するなどレコーディング作品においても信頼を得ている。

 

 

その他に彼女の才能を高く評価するアーティストの一人としてあげられるのがUKのビートメイカー/プロデューサーEric Lauだろう。2008年の“I Don’t Do It To”を筆頭に、2013年作『One Of Many』ではGeorgia Anne Muldrowらと並んで複数の曲に客演、2014年にはEric Lauとの共同名義でEP『Love Call』もリリースしている。

そうして世間にその名前を知らしめてきたTawiahは自身の作品としてはこれまでデビューEP『In Jodi’s Bedroom』を筆頭に、2011年のEP『Run』、2013年のEP『FREEdomDROP』の3作品をこれまでリリース。 それに続く4作品目として2017年にリリースしたのがEP『Recreate』で、本国でのリリースでは5曲入りだったものに3曲を追加し、さらに日本盤のボーナストラックとして4曲を加えたものが今回リリースされる作品となる。

 

 

本作のプロデュースやソングライティングに関わっているのはロンドンのエレクトロニカ系バンドHejiraのSam Beste。Tawiahのソウルフルなフィーリングに、トラック的な無機感もあるHejiraのニュアンスが加わってジャンルで一括りに形容し難いオリジナルなサウンドに仕上がっている。スピリチュアルで芸術的な雰囲気漂う“Recreate Intro”に続く“Queens”では、鋭いビートにディレイの効いた歌声が幻想的な印象を与えるまさにHejiraカラーを感じる1曲だ。

その他にも、雄大かつ哀愁を感じさせるストリングスが印象的なバラード“Don’t Hold Your Breath”、音数の少ないトラックの上でコーラスが際立つバラードでSam Smithのような世界が広がる“Move With Me”、Alicia Keysを思わせるスケール感で歌い上げる“No Way”など全体的にスローながらも1曲1曲が個性が際立つ楽曲たちは聴けば聴くほどにその魅力の深さを感じられる力強い作品に仕上がっている。

 

 

グラストンベリー・フェスティバル、コーチェラ・フェスティバル、ワイヤレス・フェスティバル、ロラパルーザ、など世界各地の名だたる音楽フェスに出演し、またアメリカ東海岸における自身のソロツアーも見事に成功させるなど、快進撃が続いているTawiah。ロンドンから世界へ、さらなる飛躍を予感させる歌姫から目が離せない。

 

 

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