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11月17日(金)にはiTunes先行解禁、11月22日(水)にはいよいよCDの全国発売となるJames Chatburn(ジェームズ・チャットバーン)初のフルアルバム『Damen』。John LegendやJames Blakeといったアーティストとも比較される音楽性に、Jordan Rakei、Dizz1、Frank Nitt、XOといった同時代を駆け抜けるクリエイターたちが彩りを加えた本作のリリースを前に彼のキャリアにフォーカスしてみよう。

 

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James Chatburnはオーストラリア出身。オーストラリアと言えば隠れた音楽大国として知る人ぞ知る国で、これまで様々なアーティストを排出している。SWEET SOUL RECORDSからもORLYやNatashaといったアーティストの作品をリリースした他、Electric Empireのこともプッシュアーティストとして様々な機会でプッシュをしてきた。そんな中でも近年で最もオーストラリアの音楽シーンが話題になったのはHiatus Kaiyoteの存在が大きいだろう。ソウルやR&Bをベースにしながらもジャズライクなアプローチやプログレッシブな展開などジャンルを超越した音楽を展開する彼らはリリースするや否や瞬く間に世界中の音楽ファンを熱狂させた。

そんなオーストラリア出身のJames ChatburnもまたHiatus Kaiyoteよろしくボーダーレスな音楽性が魅力のアーティスト。2010年にEP『Sickness And Health』でデビューし、フォークとソウルをブレンドしたサウンドでオーストラリアで話題となると一層ジャンルの壁を壊して<James Chatburn>というジャンルの確立へと向かっていくこととなる。その独自のスタイルとJohn Legendを彷彿とさせる歌声は早々にアーティストの間でも注目を集め、オーストラリア屈指のヒップホップユニットHilltop Hoodsの“Higher”にフィーチャーされたことで一躍その知名度を全国区へと引き上げた。

 

 

しかし彼はさらなる飛躍を求めてオーストラリアを飛び出しドイツのベルリンへと活動拠点を移す決断を下した。そこでも着実にキャリアアップを実現し、The Internetのドイツ・ツアーのサポートを務めた他、2016年にはUKのハウス/エレクトロニカ系プロデューサーであるXOの“Divine Disaster”に客演、2017年にはベルリンで行われた〈Redbull Music Academy’s Bass Camp 2017〉に参加するなど、その認知度を高めている。

そんななか満を持して初のフル・アルバムとなる本作『Damen』をついにリリースする。本作はオーストラリア時代の2014年からベルリンに活動を写した2017年までにリリースした楽曲がまとめられた作品。プロデュース、アレンジ、ソングライティング、ミックスの全てを彼が手がけその才能を遺憾無く発揮している。本作に収録された秀作揃いの楽曲の中でも特筆すべき楽曲は“Omens”と“Holiday Love”、“Creator”の3曲だ。

 

 

“Omens”は今LAシーンで最も勢いがあるコレクティヴ「Soulection」のコンピ『Soulection presents : Promise Once More』に収録されているので既に聴いたことがあるリスナーもいるのではないだろうか。Soulectionと言えばここに所属する日本人プロデューサーstarRoがグラミー賞にノミネートされたことでもその名を聞いたことがあるだろう。まさにJohn Legendを思わせる深みのある歌声に少ない音数で構成されたトラックでJames Chatburnらしさに満ちた楽曲だ。

そして“Holiday Love”ではデュエット、“Creator”では共同プロデュースという形で同じくオーストラリア出身のアーティストの注目株Jordan Rakeiが参加。Hiatus KaiyoteやKINGの文脈に沿って語られるアーティストで、ネオソウルを継承しながら新たな音楽を開拓し続けている彼のヴァイヴスが加わることでややR&Bテイストが強く展開されたJames Chatburnの別の輝きのある魅力が垣間見られる仕上がりとなっている。

 

 

その他にも美しいファルセットとラップを交えたアップ“Darling I Missed Your Call”とレイドバックグルーヴがたまらない“In The Wild”、唯一プロデュースとアレンジをJames Chatburnではなくメルボルンのプロデューサー/ターンテーブリスト/ドラマーのDizz 1ことDave Norrisに任せたUSメインストリームのR&B~ヒップホップに一番近い曲“We Drink”など研ぎ澄まされた感性とまさにオリジナルな音楽が詰まった傑作に仕上がっている。

発売は11月22日(水)。オーストラリアからベルリン、そして世界へとその活躍の幅を広げる才人James Chatburnが紡ぎ出す繊細な音の世界をぜひ堪能して欲しい。