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3月15日にアルバム『Elevate』をリリースすることが先日アナウンスされたシンガーソングライターTangina Stone(タンジーナ・ストーン)。
2014年にデビューEP『The Fall』をリリースすると、現在に至るまでNYの私立大学に通いながら各地でステージに立ち歌声に磨きをかけている。

ソウル・R&B、ロック、ポップスの要素を融合したサウンドに愛情、悲哀、社会問題について鋭い視点で綴ったリリックを組み合わせた独特の世界観を展開する彼女の才能には早くから注目が集まり、NYの女性誌・Essence Magazineは彼女を「次世代を象徴する存在である」と賞賛、またThe Deli Magazineは「Best Emerging Artists in 2015」にStoneを選出した。さらにThe RootsのQuestloveが主宰するOkayplayerは彼女について、「彼女の表現には偽りがない。かつての素晴らしい時代を彷彿とさせる真の意味でピュアなサウンドである」と絶賛のコメントを寄せている。

そんな彼女にインタビューを敢行。本作に込めた想いを語ってもらった。

 

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– まずはご自身のことについてお聞きします。オハイオ出身で、現在はNYブルックリンを拠点に活動されているそうですが、バックグラウンドについて教えてください。

オハイオ州のキャントンという街の出身よ。オハイオの北東部はおもしろいところで、街のダウンタウンエリアからすぐのところに農場があったりするの。その辺りを旅してみると、小さな田舎町と大都市の雰囲気を同時に味わうことができるわ。私が生まれ育った地域は環境的に厳しいところだったわ。犯罪や暴力が横行していたの。地元で成功を納めた人なんてほとんどいないわね。私の場合、夢を叶えるにはそこを出てニューヨークに行くことが必要だとわかっていたから、18歳の時にたった200ドルをポケットに入れて学生寮に入ったの。絶対にそうしなきゃいけないと思っている時は何でもできるのね。他の選択肢は私にはなかったわ。

 

– シンガーになろうと決意したのはいつからですか?またどんなアーティストに憧れていたのでしょう?

4歳の時にはもうシンガーになりたいと思っていたわ。音楽に夢中になって6歳で最初の曲を作ったの。たくさんのアーティストに影響を受けたけど、Stevie Nicks、Lauryn Hill、Erykah Badu、Nelly Furtado、SadeがTOP5よ。

 

– 2014年にデビューEP『The Fall』を出していますが、初のフル・アルバムとなる本作『Elevate』との違い、そして『Elevate』のコンセプトを教えてもらえますか?

『The Fall』も『Elevate』もそれぞれ異なった私の一部を描いているという点では共通しているわ。自分がより高みへ向上する(elevate)方法を見つけるためには逆に何回も落ちる(fall)必要があるといった感じかしら。でも2つのプロジェクトの違いは大きくて、『The Fall』では『Elevate』で触れていることの上澄みだけを掬っていて、『Elevate』ではより客観的に自分を見つめ、正直に、時に怒りを表現しながら、世界に生きるひとりの人間としてどういう役割を果たせるか?というところにまで踏み込んで言葉を紡いでいったわ。

向上していくには余計なものを切り離していくことが必要で、アルバムを通じて自分自身を整理することにもなったわ。とてもプライべートなことについても歌っているし、自分の人生、家族、不安についてぶちまけているの。社会や世界のリーダー達に対しての批判もしているわね。あらゆることに正直になって胸につかえていることを吐き出すことで、自分自身をそういったものから切り離して、成長していくことができると思うの。過去は自分の一部であるけれど、自分自身の成長を妨げたり未来を決めたりするものではないはずよ。

 

 

– 全てあなた自身のソングライティングですが、何か意識したことはありますか?また、どういった方法で曲を書きますか?

曲作りにおいて歌詞とメロディーをとても大事にしているわ。私は本来楽曲をキャッチーに聴かせるために噛み砕いたりするタイプのソングライターではないの。でも最終的には自分自身の成長に繫がると信じているから常に挑戦していたいと思っているわ。

方法については、既にトラックが出来ているものに対しては、まず曲全体のメロディーをつけるわね。メインとなるサビを考えたらメロディーに合う歌詞をつけていく感じよ。ゼロから作る場合は、先ずギターを弾いて、歌詞をつけて、その後にプロデューサーに肉付けしていってもらう感じね。

 

– メイン・プロデュースを手がけるWOLFGVNGとは、どこで出会ったのですか? どんな人物で、どういう音作りを得意とするか教えてください。

WOLFGVNGとは今作のエグゼクティブ・プロデューサーであるCrystal Cainesを通して出会ったわ。彼はフランスに住んでいて、Crystalと一緒に曲作りをしていたの。WOLFGVNGが作ったトラックをCrystalが聴いた時に私のヴォーカルが合うと思ったみたい。それで一緒にレコーディングをすることになったんだけど、まるで魔法が起こったみたいだったわ。そこでCrystalにお互いを紹介してもらって、それ以来彼とはずっと一緒に仕事しているわ。彼はこれまで会ってきた中で間違いなく最も才能あるミュージシャンの一人ね。特にR&Bを作らせたら最高だわ。相性も抜群で、これから先もいろいろとコラボしていく予定よ。

 

– エグゼクティブ・プロデューサーのCrystal Cainesは“Ride Off”にも客演していますね。彼女はどんな人物で、あなたとはどんな付き合いなのですか?

Crystalは大親友の一人よ。ラッパーであり、シンガーであり、プロデューサーであり、エンジニアでもあるの。才能、思いやり、革新さ、美しさにおいて彼女に敵う人を見たことがないわ。一緒に仕事できて本当に良かったわ!もうすぐ彼女自身のプロジェクトも始まる予定できっと業界騒然になるわ。

 

– その二人の他にもNokturn、Fouche、Swish Allnet、The Understudy、CJ THE GREATといったプロデューサーがクレジットされていますね。同様にどんな人物で、どんな特徴がある人か教えてください。

NokturnもFoucheもイルマインドのプロダクション(!llmind’s)に所属しているプロデューサーよ。イルマインドのマネージャーであるAtlasが紹介してくれたの。二人ともとても才能があって彼らと一緒に仕事ができて光栄だわ。CJとの関係はとても長くてニューヨークに移ったばかりのころから一緒に仕事をしてきたわ。これ以上ないくらいリスペクトをしている彼にこのプロジェクトに参加してもらえて最高だわ。

Swish Allnetは素晴らしいプロデューサーであり、ラッパーであり、私とCrystal Caines共通の友達でもあるの。彼のサウンドは常にユニークで危険な雰囲気が漂っているわ。彼がプロデュースしたタイトル曲“Elevate”はアルバム全体のコンセプトに影響を与えてくれたわ。

 

 

– “Exposed”ではご自身に影響を与えたアーティストTOP5とおっしゃっていたネリー・ファタードとも共演されていますね。彼女とはどういうきっかけで知り合ったのですか?

Nellyと出会ったのは本当に偶然なの。友達と出かけたブルックリンのコンサートでたまたま出会ってすぐに意気投合したわ。翌日一緒にスタジオに入ってセッションをして最高の時間を過ごしたんだけど、彼女が私の音源を聴かせてと言ってきて、とても緊張したわ。彼女がどう反応するか検討もつかなかったからその間ずっと不安だったの。そしたら彼女は気に入ってくれたみたいで、「この曲に私のアイデアを足してみてもいい?」と聞いてきたから「もちろんよ!」と答えたわ。NellyはCrystal Cainesと並んでこれまでに会った人の中で最も美しい人の一人ね。優しくてとてもいい人、そして才能に溢れているわ。彼女のことを友達と呼べるようになってとっても光栄よ。

 

– “Black Boy”で共演しているサックス奏者のケネス・ウェイラムとはどうして一緒にコラボすることになったのですか?

Kennethとは、Okayplayerで一緒にフィーチャーされた時に知り合って、それ以来一緒に音楽を作ってみたかったの。最高にクールな人よ。彼に“Blackboy”を聴いてもらって感想をもらおうとしたら、気に入ってくれて彼のサックスを吹き込んだ音源を送り返してくれたの。本当に美しくて素晴らしい出来だったわ。アルバムに足りなかったものを完璧に埋めてくれた感じだわ。

 

– 現在活躍しているアーティスト、プロデューサーで付き合いのある人、また気になる人がいましたら教えてください。

たくさんいるわ。たくさんいすぎてリストにできないくらいよ。リスペクトできない人とは一緒に仕事をしないもの。CDにクレジットされているThank youノートをチェックしてみて!

 

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