ついに全貌が明らかになった『 URBAN, SOUL LIGHTS 』。その仕掛け人であるSWEET SOUL RECORDS代表の山内直己と、プロデューサーとして参加したUrban NEXT西崎信太郎による対談が実現。

約1時間にわたる二人の対談からはタイムレスな作品作りに対する情熱、アーティストの活動を支える環境を作るという使命、レコーディング現場の空気感といったものから、二人の出会った時の思い出などまで多くが語られている。

『 URBAN, SOUL LIGHTS 』の裏にある二人の思いを是非ご覧ください。

 

社会も音楽も元気だった90年代というのを軸にタイムレスな作品を作る

山内:今日はよろしくお願いします!

西崎:よろしくお願いします!

山内:まずは『 URBAN, SOUL LIGHTS 』を制作するに至った経緯からいきましょうか!この話自体はずっと前から話してましたよね。いつからでしたっけ?

西崎:いつでしたっけねぇ。もう1年以上前だとは思いますが。

山内:そうか、去年代々木上原で話してからだから、それからですよね。

西崎:そうですね!当時は1990年代のものをやるかどうかっていうのは決まってなかったんだけども。

山内:まぁ「R&Bをやろう」っていう、西崎さんらしさを武器にしてうちとコラボするのがいいですよねっていう話はしていて。というのも、SOUL LIGHTSシリーズがコラボレーションによって何かを作るっていうスタイルを確立していったのがその時期だったんですよね。それで今度DJ Hirokingと一緒にやるので、その次は西崎さんとやりたいなっていう話で。

西崎:あぁー。でもその時既にTLCの”No Scrubs”を生バンドでっていう具体的な話も出てましたよね!

山内:うん、出てました。

西崎:山内さんが海外にいた時に見た90年代の機械的なものを生音で演奏することの良さ、っていうのを表現したいっていうのもあったんですよね。あの曲を起点に話が膨らんでいったという感じでしたね。

山内:そうですね。それでTOKYO SOUL DRIVEとかでも実際にやってみたりしながら、どんな感じにしようかとかアーティストやミュージシャンをどうするかっていう構想を練っていきましたよね。

西崎:そうそう。

山内:それで一番良かったのは、お互いのバックグラウンドに共通項としてSoul For Realの”Candy Rain”があったり、そういうブラコン大好き!っていうのがマッチしたことですよね。今でこそネオソウル専門レーベルで生音重視の音楽やってるんですけど、90年代のR&Bっていうのは果てしなく生音とキラッとしたアーバンな音が見事に融合して出来ている素晴らしい時代だったと思うんです。

西崎:うん、その通りだと思います。

山内:それこそHMVに行った後、レコファンでレコードをあさって、何枚も買ったりして。新譜買えよって話ですけど(笑)

西崎:(笑)まぁでも僕もやっぱり90年代っていうのが原点なんですよ。今は表現するものの方向性が山内さんと僕ではそれぞれ違ったカラーが出ているんですけど、辿っていくと同じ原点に行きつくんですよね。山内さんもMarques Houstonとか聴いているっていうのはちょっと驚いたんですよ。

山内:いやいやもうMarques HoustonとかMarioとかめちゃくちゃ聴きますよ!甘くて色気のある音楽。

西崎:それが意外だったんですよね!

山内:聴いてました聴いてました。PVとかマイケル・ジャクソン好きなんだなぁって思いながら(笑)あとはオマリオンとか、とにかくあそこらへんはよく聴きましたね。あの時代ってやっぱり音も凄いよかったですよね。そしてそこからのアッシャーへの流れみたいなのもあったりして。とにかくアメリカの少しポップよりのものでもプロデューサーも凄いから音はすごくかっこいいし。あの時代っていうのはR&Bだとかヒップホップだとかいろんなものがクロスオーバーしていて、ポップに仕上がっているんだけど最高に上質なものが多くて。で、そこからジャズとかネオソウルとかにいくかR&Bなどアーバンなものへいくかっていうだけで、ルーツは一緒ですよね。

西崎:間違いないですね。

 


Marques Houston – “That Girl” 

 

山内:そういったことを考えていた時に、あの時代って本当に良かったなぁって改めて思ったんですよね。凄い良い音楽がたくさん生まれて、CDもたくさん売れて、マライア・キャリーだとかNASだとかが○○とコラボしたーだとか、とにかく音楽にパワーがあった時代で。

西崎:今の音楽にも今の時代の良さっていうのがあるのもまた事実なんですが、今第一線で活躍している人達っていうのは多くが90年代の影響を受けてもいるんですよね。

山内:それでいうと今僕が危惧しているのは10~20年前に比べると”洋楽”っていうもののテンションが下がっているっていうことですよね。当時はコンピなんかを出してもバコーンと売れたりしていたし。70年代っていうのはソウルにとってクラシックと呼ばれるくらいものすごい数の音源が世に出て、レーベルもめちゃくちゃ儲かった時代だったと思うんですけど、90年代はそれにも匹敵するくらいに、70、80年代の音楽を昇華させたスターがたくさん生まれた時代だったと思うんですよ。今30~40代の人にとってはもう青春まっただ中でそんなスター達の新譜を聴きまくっていたっていう人も多いと思いますし。

西崎:そうですね。結局、いろんなムーブメントが生まれた時代だったと思うんですよね。今回カバーしたD’Angeloをはじめとしてネオソウルっていうジャンルを生み出したのもこの時代だし、Mary J BligeがHIPHOP-R&Bみたいなのを生みだしたのもこの時代ですからね。そういう観点で見ると、当時あれだけ多くいた才能あるアーティスト達から生み出された名盤っていうのは20年経った今でも聴いていけるじゃないですか。そういうものが今の時代にどれだけあるかっていうことなんですよね。実際にパッと考えただけでは20年後にもまだ聴かれているような音楽って正直あるのかな、って思ってしまうこともあります。

山内:そうですよね。つまり僕達みたいな発信する側がいいものを作れているのかっていうことが1つ大きな問題ですよね。

西崎:そう。結局、発信者の責任っていうのも大きいんですよね。まぁ当時は情報網もそんなに発達していなくて、っていう要素も働いていたのかもしれないですけど、やっぱりそういうのを差し引いても今の音楽業界はあまりに元気がないかなって感じてます。

山内:そうですね。当時は業界全体が元気で予算もあって、チャンスをもらえる人がたくさんいたと思うんです。CDの売上なんて今の10倍はあったわけで、今は新人が5人しかだせないところが当時はもっとたくさんの新人をだして、いろんな挑戦を出来たっていうのもあるとは思います。ただ、今の音楽業界の市況が本来正常だっていう見方をする人もいるんですよね。

西崎:そうなのかもしれないですね。

山内:そういったなかで、僕達は色あせないタイムレスな音楽を作っていきたいっていうコンセプトでやっているので、そういうところでそんな元気のあった90年代、っていうのを軸に西崎さんをはじめ様々な先輩達の力を借りつつ良い作品を作ろうというのが今回の『 URBAN, SOUL LIGHTS 』っていう企画が始まった経緯ですね。

 

日本詞が情景を描くのに対してR&Bは直接的に愛を語る

山内:さっきも少し話が出たんですけど、タイムレスなものを作ろうっていうのとは別に裏コンセプトみたいなのも話しましたよね。今30~40代の人達にとっての90年代って青春真っ盛りで結婚したりした時期だったと思うんです。今は子供が出来たりあるいは結婚してちょっと時間がたっていたりして、「90年代はたくさん恋愛していい思い出がいっぱいだったなぁ」なんて思っている人もいるんじゃないかと思うんですよ。そういう人達には当時の想いを思い出して、パートナーに…

西崎:あの頃のピュアで甘酸っぱい感じを思い出してもらうみたいな(笑)

山内:そうそうそう(笑)よくベッドタイムミュージックなんて呼ばれますしね。

西崎:そうですね。

山内:僕達がお世話になっているプロモーターさんは僕らがやっている音楽は「少子化対策につながる」なんてこともおっしゃっていて(笑)

西崎:なるほど(笑)でも本当にその通りだと思いますよ。男からしたらモテアイテム的な側面もある(笑)

山内:そして表現が凄くストレートですよね。女性に対して愛してるだとかダンスしようだとか。やっぱり日本詞は情景を描くんですが、それに対してR&Bは直接的なメッセージを歌っていて、愛を伝えるにはぴったりですよね。その点からするとSOUL LIGHTSシリーズのメッセージカードが入っていて告白CDとして使えるっていうのは、もともとそういう意味合いもこめられていますからね。『 LOVE, SOUL LIGHTS 』などはもうド直球ですけど。そして今回はセクシーでノリがいいR&Bを選んで、こういう側面がまた強調されるかなと思いますね。

 

アーティストとリスナーのかけ橋になれれば僕にとっても嬉しいこと

山内:ところで、西崎さんがR&Bを根付かせようと思ったきっかけってなんなんですか?

西崎:単純にR&Bに出会って僕の生活が変わったっていうのがまず第一にあります。ただ結局は音楽は娯楽の一つなんですが、さっき話しに出たように現在は情報量が多すぎて何を聴いたらいいのかっていうのがわからない人が多くいると思うんです。例えば東京にいればR&Bなどに触れる機会はそれこそ数えきれないくらい多くあるんですが、ちょっと都心から離れてこういったジャンルに触れる機会が比較的少ないところでは、なかなか知ることさえない人もいるなと感じていて。それで、ただこれだけの理由でこんな素晴らしい音楽に出会えないのはもったいないなって単純に思ったんです。でも僕の趣味を他の人に押し付けるのはまた違うことなので、知るきっかけを増やそう、それで知ってもらった人の中からR&Bって素晴らしいな、生活が楽しくなったなって思える人が出てきてくれたら嬉しいなっていうのが最初のきっかけですね。自分がいいなって思うアーティストと、こういった音楽を好きになってもらえる可能性があるリスナーの懸け橋になっていければ、アーティストにとってもリスナーにとってもいいことだし、僕にとっても嬉しいことですからね。

山内:それってやっぱりHMVのバイヤー時代に埋もれているいい音楽を見つけてそれを展開したら凄い売上が伸びていったっていう経験に基づいているんですよね?実は聴いたらめちゃくちゃいいじゃん、っていう音楽がたくさんあるから、リスナーにとっての選択肢を分かりやすく提示していこうみたいな。

西崎:まさしく。どっか1つだけ突破口が開ければどんどん売れていくアーティストがたくさんいるんです。その1つの突破口を見つけられないだけで売れなくて、音楽自体続けられなくなってしまうなんてこともありますから。そんなアーティストの突破口を見つけてどんどん売れていけば、アーティストは豊かになって新しい音楽を生みだせるし、リスナーにとっては素敵な音楽と出会えるチャンスが増えるわけでこんな良いことはないですよね。

山内:間違いないですね。その通りだと思います。

西崎:だからこのバイヤー時代の「こんないいものがなんで?」っていう感覚が今の活動に大きな影響を与えているっていうのは本当にその通りです。

山内:R&Bにこだわるのはなんでですか?雰囲気とかエッジさとかいろいろあるとは思うんですが。もちろん単純に好きだっていうのが一番だとは思いますが。

西崎:そうですね、一番は自分が好きだっていうだけです(笑)もちろん他のジャンルも好きなんですけどね。

山内:そうすると普段こういった音楽を聴かない人にどうやってアプローチしていくんですか?

西崎:このジャンルは比較的ムーディーでおとなしい音楽だと思うんですよ。レゲエとかヒップホップなどはみんなで盛り上がったりする感じでいろんなフェスがあるのに比べて、あんまりR&Bのフェスがないっていうのもそういうとこから来ているんだと思うんです。

山内:はぁーなるほど。

西崎:しっとり聞く音楽かなと思うので、逆に生活にはよくなじむジャンルだと思ってるんですよ。だからさっき話していたように、ベッドタイムミュージックだとか、ちょっと生活をムーディーにするような音楽としてまずは触れてもらえたらなと思ってます。

山内:なるほど。それで、ちょっと話はずれるんですけど、今は昔のように熱いリスナーさんが減っているような印象を受けてるんですよね。今30~40代の人達って音楽好きな人達が多かったような気がしてるんですよ。新譜が出たらとにかく買って聴いて周りにも勧めるみたいないい意味でクレイジーで情熱的な人達がたくさんいたよなって感じていて。洋楽に対する憧れっていうのもあったのかなって。

西崎:それは間違いないですね。今よりもその憧れは強かったと思います。まぁ今は20年前に比べれば音楽以外の娯楽っていうのも増えていて、何か一つにのめりこむっていうことが難しい時代だなぁと感じてますね。

山内:とは言え、日本はやっぱり音楽大国ではあると思うんです。今も音楽が好きな人達はいっぱいいるんだけど、何を聴けばいいのかわからないっていう人とかもいるとは思うんですよね。

西崎:そうですね。

山内:そういった人達に対して分かりやすさみたいものを盛り込みながら、もう一度昔の音楽を提案したいっていう想いもありますね。

西崎:結局のところ洋楽だから日本人にとっては言葉の壁っていうのがあって、歌詞の意味合いとかよりもノリであったりフィーリングを大事にして聴いている人が多いとは思うんですよね。もちろん歌詞を大切に聴いて下さる方もいますが。そういった意味で今回は日本人のリスナーさんが喜んで聴いてくれそうな選曲になっているかなと思いますね。しかし選曲に関してはいろいろ悩みましたよね。

山内:そうなんですよー!なんといっても90年代は名曲だらけで絞るのが大変でしたからね。

西崎:うん。そうですね。

山内:僕達はやっぱり世界中のアーティストが全世界のいろいろなところで活躍出来る土壌を作りたいんですよね。日本にも物凄い才能をもったアーティストがたくさんいて、一昔前だと「こんなの日本人に出来るのか?」なんて思っていたものも、よく日本を見渡せば世界で通用するレベルの人がいる。そんな未発掘の人達がブームになればいいかなという風に思ってますね。実際、最近澤田かおりや高橋あず美、鎌田みずきにNao Yoshiokaも活躍していればLynなんかはMISIAのバックコーラスにも抜擢されていて、登竜門的なレーベルに少しずつなってきているのは嬉しいことだなと感じてます。

西崎:その姿勢は素晴らしいですよね。

山内:そして僕らの一つのスタイルになってきてるんですけど、日本の若手トップミュージシャンを起用していくっていうことで、今回は西崎さんが凄く仲が良いという三浦大知さんのバックバンドをやっているFeel The Flowさんにお願いしました。とても素晴らしいバンドで、僕も前から是非一度一緒にやってみたいなと思っていたので、今回SSRと西崎さんとFeel The Flowで一緒に出来たことが嬉しかったです。Gakushiさんのプレイなんか本当に素晴らしかったですもんね。

西崎:Gakushiくんが今回の企画の意図を凄くよく理解してアレンジしてくれて、ほぼ注文なしでどんどん進みましたよね。言葉だけで伝えたいことを見事にくみ取ってくれて。

山内:そうそう!

西崎:まぁGakushiくんも同い年だから通ってきたラインがやっぱり同じなんですよね。

山内:今までのレコーディングで一番楽しかったって言ってましたもんね(笑)

西崎:好みがドンピシャだったみたいでね!

山内:曲見ただけであがったって言ってましたね!

3年来の同志である二人の企画がついに実現

山内:それでこの企画始まっていろいろ思い返してたんですけど、西崎さんと初めてお会いしたのはHMVで名刺交換した時だから3年前くらいですよね。『 SOUL OVER THE RACE VOL.1 』が出る前に営業しに行った時か。初めて名刺を渡されて、「これからお世話になると思いますので…」みたいな凄い丁寧なあいさつをして頂きました(笑)

西崎:とんでもない(笑)懐かしいですね。しかしそっから考えたらめちゃくちゃだしてますよね?

山内:当時は0枚(笑)まだ海外物も何も出してなくて、レーベルとして動いてない時でしたからね。Webの営業の合間にスーツでHMV行ってました(笑)あの時はまだUrban NEXTはだしてなかったんですっけ?

西崎:当時はまだ何もやってないただのHMVのバイヤーでしたね(笑)

山内:そう考えるとここ2年くらいでめちゃくちゃいろいろやってますよね!すっかりカリスマになられて。僕達は西崎さんにぶらさがって「ありがとうございます!」みたいな感じで(笑)

西崎:いやいや逆ですよ(笑)

 

 レコーディング現場の空気感を味わってもらいたい

西崎:そして実は今回、生のバンドのレコーディングに立ち会ったんですけど、初めてのことだったんですよ。

山内:今回はフルでいましたからね。電車なくなりながらも(笑)

西崎:でも凄く楽しかったですし、何よりミュージシャンが楽しそうでよかったですね!みんながみんなお互いのやっていることに刺激を受けてやっている感じで。言い方は悪いかもしれませんけどみんな音好きのオタクって感じで(笑)僕達ではわからないところで反応したりっていうのは見ていて感動するものがありましたね。

山内:うん、とてもいいメンツでしたね!

西崎:頌くんとかはだいぶ疲れた感じでしたけどそれでも楽しそうで!

山内:オフレコトークをしながらね(笑)結局朝の2時くらいまでやってたから結構時間はかかりましたよね。

西崎:Gakushiさんもトークボックスやりながらとても楽しそうで。まぁ楽しませるものは楽しみながら作らなきゃなんだなって改めて思いましたね。そしてシンガーの皆さんもみんな歌うことに対してプロフェッショナルな方々で、それぞれの個性をどう活かすかっていうことだけでしたもんね。まぁエンジニアのニラジあってこそのっていう部分はもちろんあるんですけどね。それでもやっぱりあのプロフェッショナルさっていうのは改めて凄いなと感じました。

山内:僕も『 SOUL OVER THE RACE VOL.2 』の現場には全部立ち会ったんですけど、現場でプロデューサーがどう指示しているかとか、マスタリングが終わったその瞬間とか、あの音楽が生まれる空間っていうのはそれ自体が音楽の行為なんですよね。もちろん皆さんにはパッケージとして届くことにはなるんですけど、その現場の空気っていうのを少しでも味わってもらえたらなって思ってるんです。

西崎:今回Ustream中継をしようっていうのもそういうところからきているんですよね。

山内:そうです!

西崎:実際最後まで見ている方がいたし、やっぱり僕も興味はありましたからね、一人のリスナーとして。

西崎氏初の生バンドレコーディング現場立会

山内:こうやってミュージシャンがレコーディングしていいものを作っていく現場をもっと増やしていきたいんですよね。今回参加してくれた方達っていうのも自分たちで作ろうとしたら凄いお金もかかるし障害が多いんですよね。でもとにかく日本の素晴らしい才能をもっと知ってもらいたいです。

西崎:そういうレーベルコンセプトがぶれないっていうのはすごいことですよ。それに出来た音源をいろんな人に聞いて頂いてるんですが、結構みんな驚いてましたよ!竹本健一さんもDJ WATARAIさんも凄く良いコメントを残してくれて嬉しかったですね。

山内:こうやって共鳴して頂ける人々を増やしていきたいですね。そしてもっと国境とか関係なく世界で活躍したり、日本国内でも志をもって活動していけるような生態系を作ることが僕や西崎さんにとっては欠かせないミッションだと思うんです。

西崎:それでもっともっと若い子達に夢を与えたいですね。夢を描けなきゃ誰もやらないですから。

山内:そうですね。才能ある人でもやめてしまう人がいるのは本当に残念ですよね。

西崎:アーティストは表現者なので、そういう売り込み方みたいなところは出来ないことが多いし、僕達みたいな人が積極的に協力していかないとアーティストは金銭的にも精神的にも参ってしまいますから。こういったことを改善していきたいですね。

山内:うん、それが僕や西崎さんが描く夢でもありますからね。そして今後も西崎さんとの関係を続けるためにも必死に『 URBAN, SOUL LIGHTS 』は売ります(笑)

西崎:いやいやいや(笑)一緒に頑張りましょう(笑)でも今作は非常に入りやすいアルバムかなとは思いますね。DJとかには「ありそうでなかったね」という評価がありますね。”Brown Sugar”とか特にそういう評価を受けることが多いです。

山内:生音であの独特の空気感を出すのは難しいですからね。なかなか生音とろうっていう人自体がいないですよ。”My, My, My”なんかはレコーディング中笑ってしまいましたよね。こうやるのかーっていう(笑)

西崎:確かに(笑)あの曲の悠歩くん素晴らしかったですね!

山内:サウンド面でもエンジニアはニラジだし、マスタリングはLauryn Hillのこの曲を実際にマスタリングした人の弟子にお願いしたりして。この人もニラジの紹介だったんですけどね。まさに世界レベルのエンジニア陣ですよ。

 

Urban NEXTとSSRの想いの共通項

山内:いろいろ話してきたんですけど、やっぱりSSRとUrban NEXTの思いの共通項っていうのは、聞く側も発信する側も良い音楽に触れて、いいものをやってる人達が埋もれないような環境、シーンを作るってことだと思うんです。僕がやりたいのは、政治力とかを借りなくてもいいものがきちんと人々に認知されて、そういった人々は集まって生態系が形成される、そういうインディーシーンを作ることなんです。もちろんメインストリームに行くっていうことも凄い大事なことだと思うんですけど、少しでも共鳴している人達がお互いに認知し合って、大きくつながっていくきっかけを作りたいなと思ってるんですよ。

西崎:まさに。全部言われてしまいました(笑)全くその通りです。これからも山内さんとは何か面白いことをやっていきたいですね。よろしくお願いします。

山内:こちらこそ!よろしくお願いします。今日はありがとうございました。

西崎:ありがとうございました!

 

二人の熱い想いと長年の夢、そしてこれからの音楽業界を背負っていくという使命感。多くのものがつまった『 URBAN, SOUL LIGHTS 』は11/18にiTunesでの先行配信、12/5にフィジカル発売される。是非、CDで実際に二人の思いを感じて頂きたい。