ネオソウルを探す旅 シリーズ1
ネオソウルとは何なのか?
はたしてそれは音楽のジャンルなのか、ただの言葉に過ぎないのか、それとも他の何かなのか。
ネオソウルという言葉がはじめてシーンに登場するのは、1990年代後半に当時モータウン・レーベル(Motown Label)で社長を勤めていた、キダー・マッセンバーグ(Kedar Massenburg)が所属アーティスト、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)やディアンジェロ(D'Angelo)の音楽を形容した時だ。そして彼らの活躍により、さらにはアリシア・キーズ(Alicia Keys)やローリン・ヒル(Lauryn Hill)の登場で、ネオソウルは1970年代のソウル・ミュージック、R&B、ジャズ、そしてHip Hopを融合させた音楽のジャンルとして確立されていく。
しかし、この言葉を嫌うアーティストも多数存在する。 そもそもネオソウルなんて音楽は、ただ1970年代のソウル・ミュージックに回帰した現代のR&Bであって、新しいものでもなんでもなく、マーケット用に開発された言葉でしかないのだと考えるからだ。彼らに取ってみれば、音楽をやる理由はあくまでも自分のソウルに従ったためであり、決してCDを売るためではないのである。ジャガー・ライト(Jaguar Wright)は、2005年にリリースしたアルバムのタイトルを"Divorcing Neo 2 Marry Soul"と名づけ、明確に自分とネオソウルの関連を否定している。
焦点にあるのは、ソウル=魂とは新しくなるものなのかではないのか。ソウルとは唯一不変なものだと考えるのか、さらに昇華されていくものなのかと考えるかどうかなのかもしれない。
ただ、興味深いのはディアンジェロを始めとする、アリシア・キーズ(Alicia Keys)やジョン・レジェンド(John Legend)など、多くのネオソウル・アーティストと認識されているミュージシャン達は、キーボード(ピアノ)出身であることだ。1980年代以降、中々アフリカン・アメリカンの音楽と交わることがなかったキーボードが、交わったことによって何か新しいものが生まれてしまったのではないだろうか。それは、同じくキーボーディストであるスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)がアフリカン・アメリカンの音楽と交わって、『スティーヴィー・ワンダー』という一つのジャンルを作り上げたように。
YouTube - D'Angelo - Brown Sugar Live
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